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6/17(水) 『土と石が、語る。from KYOTO』トークイベント ゲスト 京都ぬりかべ屋 三谷左官店 三谷涼氏 株式会社 緑輝造園 平井幸輝氏

こんにちは、サラボ運営スタッフのHarunoです😃
6月17日、saladbowlにて工芸特集第二弾となるトークイベント『土と石が、語る。from KYOTO』を開催しました。

今回お迎えしたのは、京都を拠点に国内外で活躍する左官職人・三谷左官店の三谷涼 氏と、庭師・緑輝造園の平井幸輝 氏

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左)平井氏 右)三谷氏

京都の伝統的な建築や庭づくりに欠かせない「土」と「石」をテーマに、それぞれの仕事への向き合い方や素材の魅力、さらには海外での活動についてもお話しいただきました。

目次

  1. 1.二人の出会い
  2. 2.石と向き合う庭師の視点
  3. 3.土が変われば、すべてが変わる
  4. 4.泥団子も、実は左官の技術から生まれた
  5. 5.海外から見た京都、日本の価値
  6. 6.新たなユニット「土石流」
  7. 7.感動の連鎖を生み出すものづくり
  8. 💁‍♂️運営紹介💁‍♀️

1.二人の出会い

イベント冒頭では、お二人の出会いについて伺いました。

もともと仕事上の接点はなかったというお二人。共通の知人を通じて、京都の長屋を改装したギャラリー空間の制作を共に手掛けたことがきっかけでした。

その空間では、平井さんが吹き抜けの室内に大胆な石庭を制作。通常なら事前に完成イメージを固めて進めるところを、「自由にやらせてもらえるなら」と、自身の感覚を信じて制作に取り組んだそうです。

クレーンを使って大きな石を運び込み、昔ながらの人力で石を持ち上げたり、運ぶ”三又-みつまた”という道具で一つひとつ、石を積み上げながら形をつくり、完成した作品は、琵琶湖をイメージした立体的な枯山水でした。

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「三又-みつまた」について解説

それを見た三谷さんは当初の予定を変更。「この石庭に対して、どんな壁なら調和をするだろう。」そう考えながら生まれたのが、風の軌跡を描いた土壁表現でした。

土と石。それぞれ異なる素材でありながら、お互いの表現を受け止め合いながら一つの空間をつくり上げたことが、お二人の関係の始まりだったそうです。

⬇️お二人の手掛けられた中庭

https://www.instagram.com/p/DO4T2xJkzOx/embed/?cr=1&v=14&wp=500&rd=https%3A%2F%2Fnote.com&rp=%2Fnote_saladbowl%2Fn%2Fn1f44bd5532fe#%7B%22ci%22%3A0%2C%22os%22%3A849.2000000476837%7D

2.石と向き合う庭師の視点

庭師というと植物を扱う仕事を思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし平井さんは、幼い頃から石に触れる機会が多く、石そのものに強く惹かれてきたそうです。山の石と川の石では表情も性質も異なり、同じ石は一つとして存在しません。

石を積む際には、まず石目や形状を読み取り、その石が最も美しく見える向きを探していくそうです。「石にも顔がある。」そんな言葉が印象的でした。

また、石積みの最終形を最初から完全に決めることは少なく、その場の空間との対話を重ねながら形が生まれていくとのこと。

制作における感覚や経験の積み重ねが感じられるお話でした。

3.土が変われば、すべてが変わる

一方、三谷さんからは左官職人としての視点を伺いました。近年は海外での活動も増えており、フィンランドでは現地の土を使った左官ワークショップを実施。しかし、京都で培った技術や配合がそのまま通用するわけではなかったそうです。

土の質が違う。
砂の色が違う。
水の硬さが違う。
そして稲わらも手に入らない。

同じ「土壁」でも環境が変われば条件は大きく変わります。「自分の持っているレシピが全然通用しなかった。」そう語る三谷さんの言葉からは、素材と向き合う仕事の奥深さが伝わってきました。それでも土という素材への探究心は尽きません。

「左官屋というより、土が好きなんです。」

もし日本から土がなくなっても、土を求めて海外へ行くだろうと笑いながら語る姿が印象的でした。

4.泥団子も、実は左官の技術から生まれた

イベント後半では、意外な話題として「泥団子」の話も飛び出しました。

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近年はSNSなどでも見かける機会が増えた磨き上げられた泥団子ですが、そのルーツは左官職人の技術にあるそうです。もともとは漆喰を磨く工程から生まれた左官職人の遊びのようなものでしたが、現在では全国で技術を競い合う大会が開かれるほど広がりを見せています。

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三谷さん自身も泥団子づくりを発信しており、左官という仕事を知ってもらうきっかけのひとつとして活用されているとのこと。一見すると子どもの遊びのようにも見える泥団子ですが、その表面を鏡のように磨き上げる技術には、職人たちが長年培ってきた左官の知恵と技術が詰まっています。

「左官屋というより、土が好きなんです。」そう語る三谷さんの言葉どおり、土という素材の可能性を純粋に楽しむ姿勢が感じられるエピソードでした。

▼三谷さんの泥団子の発信

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5.海外から見た京都、日本の価値

お二人は現在、海外での活動にも積極的に取り組んでいます。その中で感じるのは、海外の人々が日本文化の背景にある精神性へ強い関心を持っていること。

特にヨーロッパでは技術そのものだけでなく、「なぜそうつくるのか」「どんな思想があるのか」といった部分に興味を持たれることが多いそうです。また、海外に出るたびに改めて実感するのが「京都」というブランドの強さ。

日本人が当たり前に感じている文化や美意識が、海外では非常に価値のあるものとして受け取られていることを実感していると語られていました。

6.新たなユニット「土石流」

現在、お二人は「土石流」というユニットとしても活動を始めています。名前の由来は「土」と「石」が入っているからだけではありません。「流」には流派の意味も込められているそうです。

さらに、土石流のあとには新しい再生が始まる。そんな前向きな意味合いも込められています。

「土石流」としてフィンランドでのワークショップなども予定されており、京都で培われた土と石の表現がどのように海外へ広がっていくのか、今後の活動にも注目が集まります。

7.感動の連鎖を生み出すものづくり

イベントの最後に、「この業界がどんな未来になったら良いと思いますか?」という質問が投げかけられました。

三谷さんは、日本人だからこそ日本らしい家づくりを大切にしたいと語り、その価値を世界へ伝えていく挑戦を続けていきたい。そして、その背中を弟子たちに見せていきたいと語られました。

そして平井さんは、「自分が感動したものを、自分のフィルターを通して庭として表現する。それを見た人が感動し、その感動が連鎖していけば、世界から争いも減るんじゃないかと思う。」と語りました。

土と石という身近な素材を通して語られたのは、技術や伝統だけではなく、人の心を動かすものづくりの力でした。

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左)平井氏 右)三谷氏

ご参加いただいた皆さま、そして貴重なお話を聞かせてくださった三谷様、平井様、ありがとうございました。

📷会場写真提供
潜水士・写真家
磯崎カズマ

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